線形代数学のおすすめの参考書をレベル別に紹介!!

こんにちは、ひかりです。

今回は線形代数学のおすすめの参考書をレベル別に紹介していきたいと思います。

それぞれの参考書の特徴などを詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

目次

線形代数学のおすすめの参考書(数学に苦手意識がある方向け)

まずはじめに、数学に苦手意識のある方やとりあえず計算ができればいいという方向けに、計算重視で書かれている線形代数学の参考書をいくつか紹介していきます。

大学基礎数学 線形代数キャンパス・ゼミ 改訂1 (マセマ出版社)

有名なマセマシリーズの一冊であり、大学の本格的な線形代数学に入る準備として高校数学と大学数学の橋渡し的役割を果たしている本となっています。

特に、文系の方などで高校数学に接する時間が少なかった人におすすめとなっています。

本の構成としては、高校数学レベルの「複素平面」・「平面・空間ベクトル」・「行列の基礎」を解説していきながら、大学の線形代数の基礎的な話につなげていくようになっています。

この本(というよりマセマシリーズ通して)の特徴としては、ほかの本であれば省略するような途中式までしっかりと書かれていることになります。

これにより、独学や授業の復習など自分ひとりで勉強しなければならないときにも数式の操作に困ることがありません。

さらに、「行列の基礎」に関してはまず理解しやすい2次の正方行列をしっかりと解説した後に、別の章で3次の正方行列へと世界を広げていきます。

これにより、行列の知識がしっかりと身につくようになっています。

また、さらに進んだ線形代数学を勉強する際にも、同じマセマシリーズの大学数学の線形代数学の本(次で紹介します)にスムーズに移行することができます。

線形代数キャンパス・ゼミ 改訂10 (マセマ出版社)

上で紹介したマセマシリーズの続編ともいえる大学数学の本格的な線形代数学を学ぶことができる本となっています。

内容も「\( n \) 次の行列と行列式」・「連立一次方程式」・「線形空間と線形写像」・「対角化とジョルダン標準形」と線形代数学の内容を一通り網羅しています。

ジョルダン標準形までのっているのが1つの良いところかなと思います。

先ほど紹介した本同様、式変形はとても丁寧に行われていて、一人でも読んでいけるものとなっています。

改訂新版 すぐわかる線形代数 (東京図書)

マセマシリーズ以外にも紹介しておきましょう。

こちらも内容的には「ベクトル」・「行列と行列式」・「連立一次方程式」・「線形空間と線形写像」・「行列の対角化」と線形代数学の内容を一通り網羅しています。

ジョルダン標準形はのっていませんが、こちらの本の方が線形空間の記述が豊富であったり、2次曲線の話も掲載されています。

また、この本の特徴は演習問題が書き込み式になっているところです。

本の誘導に従いながら穴埋めをしていくことで、知識を定着させていくことができます。

また、問題の解答も細かく書いてあり、独学にも適しています。

線形代数学のおすすめの参考書(数学がある程度得意な方向け)

次に、数学がある程度得意な方やしっかりと線形代数学の知識を身に着けたいと思う方向けに、計算と理論がバランスよく書かれている線形代数学の参考書をいくつか紹介していきます。

数研講座シリーズ 大学教養 線形代数 (数研出版)

高校の教科書を多く出版している数研出版から出ている線形代数学の参考書です。

内容としては、「行列と行列式」・「連立一次方程式」・「ベクトル空間と線形写像」・「内積」・「対角化とジョルダン標準形」と線形代数学の内容を一通り紹介されています。

とくに、行列と行列式の記述に多くの章がさかれていて、第0章で平面と一次変換についても取り扱っています。

この本の特徴としては、下のリンクの表紙を見ていただくとわかると思いますが、高校数学の教科書を意識して書かれていることになります。

そのため、高校数学の延長みたいな感覚で大学数学を学ぶことができます。

ただし、初版は誤植がかなり多いため、購入する際は第2版以降を購入することを強くおすすめします。

(もし、初版を購入した場合でも、数研出版のHPに正誤表がありますが量が多いです)

また、読んでいて難しいと感じる場合は同じシリーズから計算重視の「数研講座シリーズ 大学教養 線形代数の基礎」という本も出版されています。

チャート式シリーズ 大学教養 線形代数 (数研出版)

上の本の問題集として大学受験等で見慣れている方も多いチャート式も出版されています。

数学は問題を解いていくなかで知識がしっかりと定着していきます。

ですので、この本にある全部で282問の問題を通じて、線形代数学をしっかりと自分のものにしていきましょう。

こちらも、計算重視の「数研講座シリーズ 大学教養 線形代数の基礎」に対応したチャート式である「チャート式シリーズ 大学教養 線形代数の基礎」が出版されています。

線形代数学 [新装版] (日本評論社)

数研出版以外の本も紹介しておきましょう。

この本は上の参考書にくらべると、やや理論にページをさいている参考書となっています。

そのため、計算についてはほかの本で補った方が良いと思います。

この本の特徴はまえがきにもかいてあるとおり、2つあります。

1つ目は、線形代数学のさまざまな概念や理論をビジュアル化してわかりやすく説明をしているところです。

個人的には、行列式のイメージの説明がほかの本ではあまり見ない説明であり、面白いなと思いました。

2つ目は、人の思考の順序にあわせて章が構成されていることです。

そのため、連立一次方程式の項が2つに分かれていたりするなど、線形代数学の理論がしっかり理解できるように配慮されています。

数学が得意な方で、線形代数学の理論も詳しく知りたいという方はぜひ挑戦してみてください。

線形代数学のおすすめの参考書(数学を専攻している方向け)

最後に、数学を専攻している方向けに、理論重視で書かれている線形代数学の参考書をいくつか紹介していきます。

線形代数学 [新装版] (日本評論社)

先ほども紹介させていただきましたが、この本は数学を専攻している方にもおすすめできます。

とくに、初めて線形代数学を学ぶ場合はこの本で線形代数学の一通りの理論を身につけることをおすすめします。

そして、ほかの数学の分野に触れているうちにさらに高度な線形代数学の知識が必要になったときは、その都度この後紹介する本を参考にする、という流れでよいと思います。

線型代数入門 (基礎数学1) (東京大学出版会)

数学を専攻している方からしたら、この基礎数学シリーズはとても有名なシリーズだと思います。

有名なのには理由があり、この本には線形代数学の理論のほとんどが詳細に書かれています。

とくに、単因子論をもちいたジョルダン標準形の存在と一意性の証明はほかの本では見られないものとなっています。

また、説明の仕方も丁寧であり、この本の内容をある程度理解しておけば、線形代数学の知識で困ることはなくなるでしょう。

ただし、中には非常に難しい理論も含まれているため、初めて線形代数学を勉強したい人が独学で読むことはおすすめしません。

(大学で授業を受けていたり、数学がわかる人の補助がある場合にはいいと思います)

そのため、一度線形代数学の理論を勉強している方が辞書的な役割でこの本を読むことをおすすめします。

また、1966年出版ということもあり、若干日本語の文体などで読みにくいところもありますので、読みにくいと感じたら次に紹介する本をおすすめします。

線型代数学 (新装版) (数学選書1) (裳華房)

こちらの数学選書シリーズも有名なシリーズになります。

内容の充実さに関しては先ほど紹介した「線型代数入門」と同様に線形代数学の理論をほぼ網羅しています。

この本の特徴としては、第5章で「テンソル代数」について扱っているところです。

また、研究課題と称して、Lie環や群の表現なども載っています。

この本も「線型代数入門」と同様に初めて線形代数学を勉強する方の独学にはおすすめしません。

一度線形代数学の理論を勉強している方が辞書的な役割として利用することをおすすめします。

こちらも出版は1974年となりますが、こちらに関しては2015年に新装版が出版されとても読みやすくなりました。

今回はここまでです。よい参考書に出会えることを祈っています。ひかりでした。

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