線形代数学続論04:置換による行列式の定義と再考

こんにちは、ひかりです。

今回は線形代数学続論から置換による行列式の定義と再考について解説していきます。

この記事では以下のことを紹介します。

  • 置換による行列式の定義について
  • 行列式の性質再考
  • 2つの行列式の定義の同値性について
目次

置換による行列式の定義

前回の記事で置換について紹介しました。

これを用いると行列式の別の定義を与えることができます。

(以前、線形代数学07にて余因子を用いて行列式を定義しました。)

定義1 (行列式)

\( n \) 次の正方行列

$$ A=\begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} & \dots & a_{1n} \\ a_{21} & a_{22} & \dots & a_{2n} \\ \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\ a_{n1} & a_{n2} & \dots & a_{nn} \end{pmatrix} $$

に対して、 \( A \) の行列式 \( |A| \) (もしくは \( \text{det} \ A \)) を次で定める。

$$ |A|=\sum_{\sigma\in S_n}\text{sgn} \ (\sigma)a_{1\sigma(1)}a_{2\sigma(2)}\cdots a_{n\sigma(n)} $$

ここで、和は \( n! \) 個の置換 \( \sigma\in S_n \) すべてに対してとる。

行列式の定義の

$$ a_{1\sigma(1)}a_{2\sigma(2)}\cdots a_{n\sigma(n)} $$

は \( \sigma \) が置換(つまり、全単射)であるので、これは行列 \( A \) の各行と各列から過不足なく1つずつ取ってくることに相当します。

例えば、 \( \sigma\in S_5 \) が

$$ \sigma(1)=4, \quad \sigma(2)=3, \quad \sigma(3)=1, \quad \sigma(4)=5, \quad \sigma(5)=2 $$

であるとします。このとき、

$$ a_{14}a_{23}a_{31}a_{45}a_{52} $$

であるので、これは \( A \) の成分の中で

$$ A=\begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} & \color{red}{a_{14}} & a_{15} \\ a_{21} & a_{22} & \color{red}{a_{23}} & a_{24} & a_{25} \\ \color{red}{a_{31}} & a_{32} & a_{33} & a_{34} & a_{35} \\ a_{41} & a_{42} & a_{43} & a_{44} & \color{red}{a_{45}} \\ a_{51} & \color{red}{a_{52}} & a_{53} & a_{54} & a_{55} \end{pmatrix} $$

となり、確かに各行と各列から過不足なく1つずつ取ってきています。

これをすべてのパターンで試して、それらの和をとったものが行列式というわけです。

では、この定義で1から3次の行列式を計算してみましょう。

例1

(1) (1次の正方行列の行列式)

\( \sigma \in S_1 \) となる置換は恒等置換 \( 1_1 \) しかない。

よって、1次の正方行列 \( A=(a_{11}) \) の行列式は線形代数学続論03の定理2(2)より、

$$ \begin{align} |A|=\sum_{\sigma\in S_1}\text{sgn} \ (\sigma)a_{1\sigma(1)}=\text{sgn} \ (1_1)a_{11}=a_{11} \end{align} $$


(2) (2次の正方行列の行列式)

\( \sigma \in S_2 \) となる置換は次の2つである。

$$ \sigma_1=\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 1 & 2 \end{pmatrix}=1_2, \quad \sigma_2=\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 2 & 1 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} 1 & 2 \end{pmatrix} $$

よって、2次の正方行列

$$ A=\begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} \\ a_{21} & a_{22} \end{pmatrix} $$

の行列式は

$$ \begin{align} |A|&=\sum_{\sigma\in S_2}\text{sgn} \ (\sigma)a_{1\sigma(1)}a_{2\sigma(2)}=\text{sgn} \ (\sigma_1)a_{11}a_{22}+\text{sgn} \ (\sigma_2)a_{12}a_{21} \\ &=a_{11}a_{22}-a_{12}a_{21} \end{align} $$


(3) (3次の正方行列の行列式)

\( \sigma \in S_3 \) となる置換は次の6つである。

$$ \sigma_1=\begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 \\ 1 & 2 & 3 \end{pmatrix}=1_3, \quad \sigma_2=\begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 \\ 2 & 3 & 1 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} 1 & 3 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} 1 & 2 \end{pmatrix} $$

$$ \sigma_3=\begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 \\ 3 & 1 & 2 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} 1 & 2 \end{pmatrix}\begin{pmatrix} 1 & 3 \end{pmatrix}, \quad \sigma_4=\begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 \\ 1 & 3 & 2 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} 2 & 3 \end{pmatrix} $$

$$ \sigma_5=\begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 \\ 2 & 1 & 3 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} 1 & 2 \end{pmatrix}, \quad \sigma_6=\begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 \\ 3 & 2 & 1 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} 1 & 3 \end{pmatrix} $$

よって、3次の正方行列

$$ A=\begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \end{pmatrix} $$

の行列式は

$$ \begin{align} |A|&=\sum_{\sigma\in S_3}\text{sgn} \ (\sigma)a_{1\sigma(1)}a_{2\sigma(2)}a_{3\sigma(3)} \\ &=\text{sgn} \ (\sigma_1)a_{11}a_{22}a_{33}+\text{sgn} \ (\sigma_2)a_{12}a_{23}a_{31}+\text{sgn} \ (\sigma_3)a_{13}a_{21}a_{32} \\ &\quad +\text{sgn} \ (\sigma_4)a_{11}a_{23}a_{32}+\text{sgn} \ (\sigma_5)a_{12}a_{21}a_{33}+\text{sgn} \ (\sigma_6)a_{13}a_{22}a_{31} \\ &=a_{11}a_{22}a_{33}+a_{12}a_{23}a_{31}+a_{13}a_{21}a_{32}-a_{11}a_{23}a_{32}-a_{12}a_{21}a_{33}-a_{13}a_{22}a_{31} \end{align} $$

(これはサラスの公式によって覚えるとよい)

よって、(1)から(3)は線形代数学07で与えた定義と同じであることがわかる。

行列式の性質再考

線形代数学08で紹介した行列式の性質を置換による行列式の定義で証明してみましょう。

定理1 (行列式の線形性)

(1) $$ \begin{vmatrix} a_{11} & \dots & a_{1n} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{red}{a_{i1}}+\color{blue}{b_{i1}} & \dots & \color{red}{a_{in}}+\color{blue}{b_{in}} \\ \vdots & & \vdots \\ a_{n1} & \dots & a_{nn} \end{vmatrix}=\begin{vmatrix} a_{11} & \dots & a_{1n} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{red}{a_{i1}} & \color{red}{\dots} & \color{red}{a_{in}} \\ \vdots & & \vdots \\ a_{n1} & \dots & a_{nn} \end{vmatrix}+\begin{vmatrix} a_{11} & \dots & a_{1n} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{blue}{b_{i1}} & \color{blue}{\dots} & \color{blue}{b_{in}} \\ \vdots & & \vdots \\ a_{n1} & \dots & a_{nn} \end{vmatrix} $$

(2) $$ \begin{vmatrix} a_{11} & \dots & a_{1n} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{red}{ka_{i1}} & \color{red}{\dots} & \color{red}{ka_{in}} \\ \vdots & & \vdots \\ a_{n1} & \dots & a_{nn} \end{vmatrix}=\color{red}{k}\begin{vmatrix} a_{11} & \dots & a_{1n} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{red}{a_{i1}} & \color{red}{\dots} & \color{red}{a_{in}} \\ \vdots & & \vdots \\ a_{n1} & \dots & a_{nn} \end{vmatrix} $$

定理1の証明(気になる方だけクリックしてください)

(1) $$ \begin{align} 左辺&=\sum_{\sigma\in S_n}\text{sgn} \ (\sigma)a_{1\sigma(1)}\cdots (a_{i\sigma(i)}+b_{i\sigma(i)})\cdots a_{n\sigma(n)} \\ &=\sum_{\sigma\in S_n}\text{sgn} \ (\sigma)(a_{1\sigma(1)}\cdots a_{i\sigma(i)}\cdots a_{n\sigma(n)}+a_{1\sigma(1)}\cdots b_{i\sigma(i)}\cdots a_{n\sigma(n)}) \\ &=\left(\sum_{\sigma\in S_n}\text{sgn} \ (\sigma)a_{1\sigma(1)}\cdots a_{i\sigma(i)}\cdots a_{n\sigma(n)}\right)+\left(\sum_{\sigma\in S_n}\text{sgn} \ (\sigma)a_{1\sigma(1)}\cdots b_{i\sigma(i)}\cdots a_{n\sigma(n)}\right) \\ &=右辺 \end{align} $$


(2) $$ \begin{align} 左辺&=\sum_{\sigma\in S_n}\text{sgn} \ (\sigma)a_{1\sigma(1)}\cdots (ka_{i\sigma(i)})\cdots a_{n\sigma(n)} \\ &=k\sum_{\sigma\in S_n}\text{sgn} \ (\sigma)a_{1\sigma(1)}\cdots a_{i\sigma(i)}\cdots a_{n\sigma(n)} \\ &=右辺 \end{align} $$

定理2 (行列式の交代性 その1)

2つの行(場所は問わない)を入れ替えた行列式はもとの行列式の \( (-1) \) 倍となる。

$$ \begin{vmatrix} a_{11} & \dots & a_{1n} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{red}{a_{i1}} & \color{red}{\dots} & \color{red}{a_{in}} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{blue}{a_{j1}} & \color{blue}{\dots} & \color{blue}{a_{jn}} \\ \vdots & & \vdots \\ a_{n1} & \dots & a_{nn} \end{vmatrix}=-\begin{vmatrix} a_{11} & \dots & a_{1n} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{blue}{a_{j1}} & \color{blue}{\dots} & \color{blue}{a_{jn}} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{red}{a_{i1}} & \color{red}{\dots} & \color{red}{a_{in}} \\ \vdots & & \vdots \\ a_{n1} & \dots & a_{nn} \end{vmatrix} $$

(マイナスがつくことに注意)

定理2の証明(気になる方だけクリックしてください)

\( \sigma\in S_n \) に対して、置換 \( \tau\in S_n \) を互換 \( \begin{pmatrix} i & j \end{pmatrix} \) を用いて次で定めます。

$$ \tau=\sigma\begin{pmatrix} i & j \end{pmatrix} $$

このとき、

$$ \tau(i)=\sigma(j), \quad \tau(j)=\sigma(i), \quad \tau(k)=\sigma(k) \ (k\not=i,j) $$

また、互換 \( \begin{pmatrix} i & j \end{pmatrix} \) を \( \sigma_{ij} \) と表すと、対応

$$ \sigma \to \sigma\sigma_{ij}=\tau $$

は \( S_n \) から \( S_n \) への全単射となります。

なぜならば、

(全射性) \( S_n \) の任意の元 \( \rho \) に対して、 \( \sigma=\rho\sigma_{ij}^{-1} \) とおけば、

$$ \sigma \to \sigma\sigma_{ij}=(\rho\sigma_{ij}^{-1})\sigma_{ij}=\rho $$

となるので、この対応は全射となります。

( \( S_n \) の任意の元 \( \rho \) に対して、 \( \sigma\to \rho \) となる \( \sigma\in S_n \) が存在したからです。)

(単射性) 単射性を示すので、

$$ \sigma_1\sigma_{ij}=\sigma_2\sigma_{ij} $$

を仮定します。このとき、

$$ \begin{align} \sigma_1&=\sigma_1\cdot 1_n=\sigma_1(\sigma_{ij}\sigma_{ij}^{-1})=(\sigma_1\sigma_{ij})\sigma_{ij}^{-1}=(\sigma_2\sigma_{ij})\sigma_{ij}^{-1} \\ &=\sigma_2(\sigma_{ij}\sigma_{ij}^{-1})=\sigma_2\cdot 1_n=\sigma_2 \end{align} $$

となるので、この対応は単射となります。

したがって、全単射の対応

$$ \sigma \to \sigma\sigma_{ij}=\tau $$

により、 \( \sigma \) が \( S_n \) 全体を動くとき、 \( \tau \) も \( S_n \) 全体を動きます。

また、 \( \tau \) の符号は \( \text{sgn} \ (\sigma_{ij})=-1 \) より、

$$ \text{sgn} \ (\tau)=\text{sgn} \ (\sigma\sigma_{ij})=\text{sgn} \ (\sigma)\cdot \text{sgn} \ (\sigma_{ij})=-\text{sgn} \ (\sigma) $$

いよいよ、定理2を考えると、

$$ \begin{align} 定理2の左辺&=\sum_{\sigma\in S_n}\text{sgn} \ (\sigma)a_{1\sigma(1)}\cdots a_{i\sigma(i)}\cdots a_{j\sigma(j)}\cdots a_{n\sigma(n)} \\ &=\sum_{\tau\in S_n}(-\text{sgn} \ (\tau))a_{1\tau(1)}\cdots a_{i\tau(j)}\cdots a_{j\tau(i)}\cdots a_{n\tau(n)} \\ &=-\sum_{\tau\in S_n}\text{sgn} \ (\tau)a_{1\tau(1)}\cdots a_{j\tau(i)}\cdots a_{i\tau(j)}\cdots a_{n\tau(n)} \quad (a_{i\tau(j)}とa_{j\tau(i)}を入れかえた) \\ &=定理2の右辺 \end{align} $$

定理3 (行列式の交代性 その2)

2つの行が等しい行列の行列式は0となる。

$$ \begin{vmatrix} a_{11} & \dots & a_{1n} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{red}{c_1} & \color{red}{\dots} & \color{red}{c_n} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{red}{c_1} & \color{red}{\dots} & \color{red}{c_n} \\ \vdots & & \vdots \\ a_{n1} & \dots & a_{nn} \end{vmatrix}=0 $$

定理3の証明(気になる方だけクリックしてください)

等しい行を第 \( i \) 行と第 \( j \) 行 \( (j>i) \) とします。

このとき、第 \( i \) 行と第 \( j \) 行を入れ替えると、定理2より、

$$ \begin{vmatrix} a_{11} & \dots & a_{1n} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{red}{c_1} & \color{red}{\dots} & \color{red}{c_n} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{red}{c_1} & \color{red}{\dots} & \color{red}{c_n} \\ \vdots & & \vdots \\ a_{n1} & \dots & a_{nn} \end{vmatrix}=-\begin{vmatrix} a_{11} & \dots & a_{1n} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{red}{c_1} & \color{red}{\dots} & \color{red}{c_n} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{red}{c_1} & \color{red}{\dots} & \color{red}{c_n} \\ \vdots & & \vdots \\ a_{n1} & \dots & a_{nn} \end{vmatrix} $$

したがって、

$$ 2\begin{vmatrix} a_{11} & \dots & a_{1n} \\ \vdots & & \vdots \\ c_1 & \dots & c_n \\ \vdots & & \vdots \\ c_1 & \dots & c_n \\ \vdots & & \vdots \\ a_{n1} & \dots & a_{nn} \end{vmatrix}=0 $$

であるので、

$$ \begin{vmatrix} a_{11} & \dots & a_{1n} \\ \vdots & & \vdots \\ c_1 & \dots & c_n \\ \vdots & & \vdots \\ c_1 & \dots & c_n \\ \vdots & & \vdots \\ a_{n1} & \dots & a_{nn} \end{vmatrix}=0 $$

定理4

行列の1つの行に任意の数をかけて他の行に加えた行列の行列式は、もとの行列の行列式と等しい。つまり、

$$ \begin{vmatrix} a_{11} & \dots & a_{1n} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{red}{a_{i1}} & \color{red}{\dots} & \color{red}{a_{in}} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{blue}{a_{j1}} & \color{blue}{\dots} & \color{blue}{a_{jn}} \\ \vdots & & \vdots \\ a_{n1} & \dots & a_{nn} \end{vmatrix}=\begin{vmatrix} a_{11} & \dots & a_{1n} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{red}{a_{i1}}+k\color{blue}{a_{j1}} & \dots & \color{red}{a_{in}}+k\color{blue}{a_{jn}} \\ \vdots & & \vdots \\ \color{blue}{a_{j1}} & \color{blue}{\dots} & \color{blue}{a_{jn}} \\ \vdots & & \vdots \\ a_{n1} & \dots & a_{nn} \end{vmatrix} $$

定理4の証明(気になる方だけクリックしてください)

3次正方行列で示します。つまり、次を示します。

$$ \begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ \color{red}{a_{21}} & \color{red}{a_{22}} & \color{red}{a_{23}} \\ \color{blue}{a_{31}} & \color{blue}{a_{32}} & \color{blue}{a_{33}} \end{vmatrix}=\begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ \color{red}{a_{21}}+k\color{blue}{a_{31}} & \color{red}{a_{22}}+k\color{blue}{a_{32}} & \color{red}{a_{23}}+k\color{blue}{a_{33}} \\ \color{blue}{a_{31}} & \color{blue}{a_{32}} & \color{blue}{a_{33}} \end{vmatrix} $$

右辺をいままでの定理を用いることにより、

$$ \begin{align} &\begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21}+ka_{31} & a_{22}+ka_{32} & a_{23}+ka_{33} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \end{vmatrix} \\ &=\begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \end{vmatrix}+\begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ ka_{31} & ka_{32} & ka_{33} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \end{vmatrix} \quad (定理1(1)より) \\ &=\begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \end{vmatrix}+k\begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \end{vmatrix} \quad (定理1(2)より) \\ &=\begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \end{vmatrix}+k\cdot 0 \quad (定理3より) \\ &=\begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \end{vmatrix} \end{align} $$

また、置換と行列式の関係として、次が成り立ちます。これは行列の交代性の一般化ともとらえられます。

定理5 (置換と行列式の関係)

\( n \) 次正方行列の行の順番を置換 \( \tau\in S_n \) によって入れ替えると、行列式は \( \text{sgn} \ \tau \) 倍になる。つまり、置換 \( \tau\in S_n \) を

$$ \tau=\begin{pmatrix} 1 & 2 & \cdots & n \\ i_1 & i_2 & \cdots & i_n \end{pmatrix} $$

とすると、

$$ \begin{vmatrix} a_{i_11} & a_{i_12} & \cdots & a_{i_1n} \\ a_{i_21} & a_{i_22} & \cdots & a_{i_2n} \\ \vdots & \vdots & & \vdots \\ a_{i_n1} & a_{i_n2} & \cdots & a_{i_nn} \end{vmatrix}=\text{sgn} \ (\tau)\begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} & \cdots & a_{1n} \\ a_{21} & a_{22} & \cdots & a_{2n} \\ \vdots & \vdots & & \vdots \\ a_{n1} & a_{n2} & \cdots & a_{nn} \end{vmatrix} $$

定理5の証明(気になる方だけクリックしてください)

置換 \( \tau\in S_n \) を互換の積に分解したとき次のようになるとします。

$$ \tau=\tau_m\cdots \tau_1 $$

各 \( \tau_i \) によって行列の2つの行が入れ替わるので、 \( \tau \) によって \( m \) 回行列の2つの行が入れ替わることになります。

したがって、定理2より行列式は \( (-1)^m \) 倍されます。また、

$$ \text{sgn} \ (\tau)=(-1)^m $$

であるので、定理が成り立ちます。

これらの定理を用いることにより、線形代数学09のときは証明できなかった行列の積の行列式の性質を証明することができます。

定理6 (行列の積の行列式)

\( A,B \) を \( n \) 次正方行列とすると、

$$ |AB|=|A|\cdot |B| $$

(つまり、積\( AB \) の行列式は \( A \) の行列式と \( B \) の行列式の積である。)

定理6の証明(気になる方だけクリックしてください)

\( A,B \) を次のようにおきます。

$$ A=\begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} & \dots & a_{1n} \\ a_{21} & a_{22} & \dots & a_{2n} \\ \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\ a_{n1} & a_{n2} & \dots & a_{nn} \end{pmatrix}, \quad B=\begin{pmatrix} b_{11} & b_{12} & \dots & b_{1n} \\ b_{21} & b_{22} & \dots & b_{2n} \\ \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\ b_{n1} & b_{n2} & \dots & b_{nn} \end{pmatrix} $$

このとき、

$$ \mathbf{b}_i=\begin{pmatrix} b_{i1} & b_{i2} & \cdots & b_{in} \end{pmatrix} \quad (i=1,2,\cdots,n) $$

とおくと、

$$ AB=\begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} & \dots & a_{1n} \\ a_{21} & a_{22} & \dots & a_{2n} \\ \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\ a_{n1} & a_{n2} & \dots & a_{nn} \end{pmatrix}\begin{pmatrix} \mathbf{b}_1 \\ \mathbf{b}_2 \\ \vdots \\ \mathbf{b}_n \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} \sum_{i=1}^na_{1i}\mathbf{b}_i \\ \sum_{i=1}^na_{2i}\mathbf{b}_i \\ \vdots \\ \sum_{i=1}^na_{ni}\mathbf{b}_i \end{pmatrix} $$

となります。ここで、

$$ \begin{pmatrix} \mathbf{b}_1 \\ \mathbf{b}_2 \\ \vdots \\ \mathbf{b}_n \end{pmatrix} $$

は行列であることに注意してください。

よって、行列式を求めると、定理1より、

$$ |AB|=\begin{vmatrix} \sum_{i=1}^na_{1i}\mathbf{b}_i \\ \sum_{i=1}^na_{2i}\mathbf{b}_i \\ \vdots \\ \sum_{i=1}^na_{ni}\mathbf{b}_i \end{vmatrix}=\sum_{i_n=1}^n\cdots\sum_{i_2=1}^n\sum_{i_1=1}^na_{1i_1}\cdots a_{ni_n}\begin{vmatrix} \mathbf{b}_{i_1} \\ \mathbf{b}_{i_2} \\ \vdots \\ \mathbf{b}_{i_n} \end{vmatrix} \tag{1} $$

ここで、定理3より、 \( \mathbf{b}_{i_1},\mathbf{b}_{i_2},\cdots,\mathbf{b}_{i_n} \) のうち同じものが1組でもあれば、

$$ \begin{vmatrix} \mathbf{b}_{i_1} \\ \mathbf{b}_{i_2} \\ \vdots \\ \mathbf{b}_{i_n} \end{vmatrix}=0 $$

となります。よって、式(1)は \( i_1,i_2,\cdots,i_n \) がすべて異なる場合でのみ和をとればいいことになります。

これは置換

$$ \sigma=\begin{pmatrix} 1 & 2 & \cdots & n \\ i_1 & i_2 & \cdots & i_n \end{pmatrix} $$

を \( S_n \) 全体に関して和をとることに相当します。したがって、

$$ \begin{align} |AB|&=\sum_{\sigma\in S_n}a_{1i_1}\cdots a_{ni_n}\begin{vmatrix} \mathbf{b}_{i_1} \\ \mathbf{b}_{i_2} \\ \vdots \\ \mathbf{b}_{i_n} \end{vmatrix} \quad \left(\sigma=\begin{pmatrix} 1 & 2 & \cdots & n \\ i_1 & i_2 & \cdots & i_n \end{pmatrix}\right) \\ &=\sum_{\sigma\in S_n}a_{1\sigma(1)}\cdots a_{n\sigma(n)}\begin{vmatrix} \mathbf{b}_{\sigma(1)} \\ \mathbf{b}_{\sigma(2)} \\ \vdots \\ \mathbf{b}_{\sigma(n)} \end{vmatrix} \\ &=\sum_{\sigma\in S_n}a_{1\sigma(1)}\cdots a_{n\sigma(n)}\text{sgn} \ (\sigma)\begin{vmatrix} \mathbf{b}_{1} \\ \mathbf{b}_{2} \\ \vdots \\ \mathbf{b}_{n} \end{vmatrix} \quad (定理5より) \\ &=\left( \sum_{\sigma\in S_n}\text{sgn} \ (\sigma)a_{1\sigma(1)}\cdots a_{n\sigma(n)} \right)\begin{vmatrix} \mathbf{b}_{1} \\ \mathbf{b}_{2} \\ \vdots \\ \mathbf{b}_{n} \end{vmatrix} \\ &=|A|\cdot |B| \end{align} $$

となり、定理が成り立ちます。

具体的な行列式の計算については、線形代数学08の例1-4をご覧ください。

最後に、今までの定理はすべて列に対しても成り立ちます。

それを保証する定理を紹介します。

定理7 (転置行列の行列式)

行列の行と列を入れかえても、行列式は変わらない。つまり、 \( A \) の転置行列を \( {}^tA \) とすると、

$$ |{}^tA|=|A| $$

定理7の証明(気になる方だけクリックしてください)

\( A \) を次のようにおきます。

$$ A=\begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} & \dots & a_{1n} \\ a_{21} & a_{22} & \dots & a_{2n} \\ \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\ a_{n1} & a_{n2} & \dots & a_{nn} \end{pmatrix} $$

このとき、 \( A \) の転置行列 \( {}^tA \) は次のようになります。

$$ {}^tA=\begin{pmatrix} a_{11} & a_{21} & \dots & a_{n1} \\ a_{12} & a_{22} & \dots & a_{n2} \\ \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\ a_{1n} & a_{2n} & \dots & a_{nn} \end{pmatrix} $$

よって、 \( {}^tA \) の行列式は

$$ |{}^tA|=\sum_{\sigma\in S_n}\text{sgn} \ (\sigma)a_{\sigma(1)1}a_{\sigma(2)2}\cdots a_{\sigma(n)n} $$

となります。このとき、 \( \sigma(1),\sigma(2),\cdots\sigma(n) \) を \( 1,2,\cdots,n \) に並び替えると、

$$ a_{\sigma(1)1}a_{\sigma(2)2}\cdots a_{\sigma(n)n}=a_{1\sigma^{-1}(1)}a_{2\sigma^{-1}(2)}\cdots a_{n\sigma^{-1}(n)} $$

となります。線形代数学続論03の定理6の(3)より、 \( \text{sgn} \ (\sigma^{-1})=\text{sgn} \ (\sigma) \) であるので、

$$ |{}^tA|=\sum_{\sigma\in S_n}\text{sgn} \ (\sigma^{-1})a_{1\sigma^{-1}(1)}a_{2\sigma^{-1}(2)}\cdots a_{n\sigma^{-1}(n)} $$

定理2の証明と同様にして、対応

$$ \sigma \to \sigma^{-1} $$

により、 \( \sigma \) が \( S_n \) 全体を動くとき、 \( \sigma^{-1} \) も \( S_n \) 全体を動きます。

したがって、 \( \tau=\sigma^{-1} \) とおくと、

$$ |{}^tA|=\sum_{\tau\in S_n}\text{sgn} \ (\tau)a_{1\tau(1)}a_{2\tau(2)}\cdots a_{n\tau(n)}=|A| $$

となり、定理が成り立ちます。

2つの行列式の定義の同値性

最後に、置換による行列式の定義と線形代数学07での余因子による行列式の定義が同値であることを示します。

これにより、行列式はどちらの定義で進めても問題がないということがわかります。

準備として、まず次を示します。

定理8

$$ \begin{vmatrix} a_{11} & a_{12} & \cdots & a_{1n} \\ 0 & a_{22} & \cdots & a_{2n} \\ \vdots & \vdots & & \vdots \\ 0 & a_{n2} & \cdots & a_{nn} \end{vmatrix}=a_{11}\begin{vmatrix} a_{22} & \cdots & a_{2n} \\ \vdots & & \vdots \\ a_{n2} & \cdots & a_{nn} \end{vmatrix} $$

定理8の証明(気になる方だけクリックしてください)

行列 \( A \) を次のようにおきます。

$$ A=\begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} & \dots & a_{1n} \\ a_{21} & a_{22} & \dots & a_{2n} \\ \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\ a_{n1} & a_{n2} & \dots & a_{nn} \end{pmatrix} $$

このとき、仮定より

$$ a_{21}=a_{31}=\cdots=a_{n1}=0 $$

\( \sigma\in S_n \) のうち、 \( \sigma(1)\not=1 \) の置換に関しては、 \( \sigma \) の全単射性よりある \( k=2,3,\cdots,n \) で \( \sigma(k)=1 \) となります。

このとき、

$$ a_{k\sigma(k)}=a_{k1}=0 $$

であるので、

$$ a_{1\sigma(1)}a_{2\sigma(2)}\cdots a_{k\sigma(k)} \cdots a_{n\sigma(n)}=0 $$

となります。

よって、 \( \sigma\in S_n \) に関する和は \( \sigma(1)=1 \) となる \( \sigma\in S_n \) に関してのみとればよいことが分かります。

これは \( n-1 \) 文字の入れ替えであるとみると、 \( S_{n-1} \) に関する和と考えることができます。

したがって、

$$ \begin{align} |A|&=\sum_{\substack{\sigma\in S_n \\ \sigma(1)=1}}\text{sgn} \ (\sigma)a_{11}a_{2\sigma(2)}\cdots a_{n\sigma(n)} \\ &=a_{11}\sum_{\substack{\sigma\in S_n \\ \sigma(1)=1}}\text{sgn} \ (\sigma)a_{2\sigma(2)}\cdots a_{n\sigma(n)} \\ &=a_{11}\sum_{\tau\in S_{n-1}}\text{sgn} \ (\tau)a_{2\tau(2)}\cdots a_{n\tau(n)} \\ &=a_{11}\begin{vmatrix} a_{22} & \cdots & a_{2n} \\ \vdots & & \vdots \\ a_{n2} & \cdots & a_{nn} \end{vmatrix} \end{align} $$

となり、定理が成り立ちます。

これも定理7より、列に関しても成り立つことに注意しておきましょう。

それでは、2つの行列式の定義の同値性を示しましょう。

定理9 (2つの行列式の定義の同値性)

\( n \) 次正方行列

$$ A=\begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} & \dots & a_{1n} \\ a_{21} & a_{22} & \dots & a_{2n} \\ \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\ a_{n1} & a_{n2} & \dots & a_{nn} \end{pmatrix} $$

に対して、その余因子行列

$$ \widetilde{A}=\begin{pmatrix} \widetilde{a}_{11} & \widetilde{a}_{21} & \dots & \widetilde{a}_{n1} \\ \widetilde{a}_{12} & \widetilde{a}_{22} & \cdots & \widetilde{a}_{n2} \\ \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\ \widetilde{a}_{1n} & \widetilde{a}_{2n} & \dots & \widetilde{a}_{nn} \end{pmatrix} $$

とおく。このとき、置換による行列式を \( |A| \) とすると、

$$ |A|=a_{i1}\widetilde{a}_{i1}+a_{i2}\widetilde{a}_{i2}+\cdots+a_{in}\widetilde{a}_{in} \quad (i=1,2,\cdots,n) $$

定理9の証明(気になる方だけクリックしてください)

行列 \( A \) の第 \( i \) 行は

$$ \begin{pmatrix} a_{i1} & a_{i2} & \cdots & a_{in} \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} a_{i1} & 0 & \cdots & 0 \end{pmatrix}+\begin{pmatrix} 0 & a_{i2} & 0 & \cdots & 0 \end{pmatrix}+\cdots+\begin{pmatrix} 0 & \cdots & 0 & a_{in} \end{pmatrix} $$

というように、分解することができるので、 \( A \) の行列式は

$$ |A|=\begin{vmatrix} a_{11} & \cdots & \cdots & a_{1n} \\ \vdots & & & \vdots \\ a_{i1} & 0 & \cdots & 0 \\ \vdots & & & \vdots \\ a_{n1} & \cdots & \cdots & a_{nn} \end{vmatrix}+\begin{vmatrix} a_{11} & \cdots & \cdots & \cdots & a_{1n} \\ \vdots & & & & \vdots \\ 0 & a_{i2} & 0 & \cdots & 0 \\ \vdots & & & & \vdots \\ a_{n1} & \cdots & \cdots & \cdots & a_{nn} \end{vmatrix}+\cdots+\begin{vmatrix} a_{11} & \cdots & \cdots & a_{1n} \\ \vdots & & & \vdots \\ 0 & \cdots & 0 & a_{in} \\ \vdots & & & \vdots \\ a_{n1} & \cdots & \cdots & a_{nn} \end{vmatrix} $$

と分解できます。

ここで、第 \( j \) 項を考えると、

$$ \begin{align} \begin{vmatrix} a_{11} & \cdots & \cdots & \cdots & a_{1n} \\ \vdots & & & & \vdots \\ 0 & \cdots & a_{ij} & \cdots & 0 \\ \vdots & & & & \vdots \\ a_{n1} & \cdots & \cdots & \cdots & a_{nn} \end{vmatrix}&=(-1)^{i-1}\begin{vmatrix} 0 & \cdots & a_{ij} & \cdots & 0 \\ a_{11} & \cdots & \cdots & \cdots & a_{1n} \\ \vdots & & & & \vdots \\ a_{n1} & \cdots & \cdots & \cdots & a_{nn} \end{vmatrix} \\ &\quad (第i行を1つずつ上に入れ替えて一番上まであげる) \\ &=(-1)^{i+j-2}\begin{vmatrix} a_{ij} & 0 & \cdots & 0 \\ a_{1j} & a_{11} & \cdots & a_{1n} \\ \vdots & \vdots & & \vdots \\ a_{nj} & a_{n1} & \cdots & a_{nn} \end{vmatrix} \\ &\quad (第j列を1つずつ左に入れ替えて一番左まであげる) \\ &=(-1)^{i+j}a_{ij}\begin{vmatrix} a_{11} & \cdots & a_{1n} \\ \vdots & & \vdots \\ a_{n1} & \cdots & a_{nn} \end{vmatrix} \quad (定理8の列版より) \\ &\quad (Aの第i行と第j列が除かれていることに注意) \\ &=(-1)^{i+j}a_{ij}|\widetilde{A}_{ij}|=a_{ij}(-1)^{i+j}|\widetilde{A}_{ij}|=a_{ij}\widetilde{a}_{ij} \end{align} $$

これを \( j \) に関して和をとることにより、

$$ |A|=a_{i1}\widetilde{a}_{i1}+a_{i2}\widetilde{a}_{i2}+\cdots+a_{in}\widetilde{a}_{in} $$

今回はここまでです。お疲れ様でした。また次回にお会いしましょう。

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